過払い金請求を個人でやる方法と注意点、失敗しやすい落とし穴 | 過払い金請求について | 司法書士法人杉山事務所

過払い金請求を個人でやる方法と注意点、失敗しやすい落とし穴

消費者金融やクレジットカード会社(信販会社)などの貸金業者からお金を借りていたことがあれば、払い過ぎの利息(過払い金)が発生している可能性があります。過払い金は本来払わなくていいお金なので、請求すれば返してもらうことができます。

過払い金請求は、司法書士や弁護士などの専門家に依頼しなくても個人でできます。過払い金請求を自分でやろうとお考えの方も多いと思いますので、個人で過払い金請求をする方法や注意点、メリット・デメリットなどをまとめました。自分で過払い金請求をしようと検討中の方は参考にしてください。

過払い金請求を個人でやる方法と注意点

1.貸金業者から取引履歴を取り寄せる

過払い金請求の手続きをするときには、あらかじめ貸金業者から「取引履歴」を取り寄せておく必要があります。取引履歴とは、貸金業者から借りた借金の額やこれまでの返済履歴などの情報が記載された書面のことです。

取引履歴を請求するには、まず、貸金業者のサービスセンターなどに電話をかけます。電話で本人確認ができれば、取引履歴を自宅に郵送してもらえます。自宅に郵送されると困る場合には、貸金業者の店舗の窓口で受け取ることもできます。貸金業者にもよりますが、取引履歴の開示まではスムーズにいっておおよそ1週間~1ヶ月程度かかります。

注意点:取引履歴の請求がスムーズにいかない・時間がかかる

過払い金請求をするために個人で取引履歴を請求した場合には、対応を後回しにされることが多く、届くまでに時間がかかったり、一部しか開示されなかったりすることがあります。過払い金請求できる時効は10年ですので、取引履歴を待っている間に時効が過ぎてしまって過払い金が取り戻せなくなってしまう可能性もあります。時効が迫っている方は専門家に依頼したほうが確実です。

また、個人で取引履歴を取り寄せる場合の注意点ですが、貸金業者に電話をした際に取引履歴の利用目的をきかれても「過払い金請求をしたい」と伝えるのは避けましょう。「契約内容を確認したい」「自分の債務を見直したい」などと答えておけばOKです。

うっかり「過払い金請求をおこなうため」と答えてしまった場合、そのまま返済を続けると業者側から「過払い金があるのをわかっているのに返済していた」と主張され、過払い金を請求できなくなるおそれがあります。

2.過払い金の引き直し計算をする

取引履歴を入手したら、それをもとに「引き直し計算」をおこないます。引き直し計算とは、貸金業者と契約した金利を、本来払うべきだった15%~20%の利率に改めて計算し直す作業です。引き直し計算をおこなうことで、過払い金が発生しているか、過払い金が発生している場合には過払い金額がいくらになるかがわかります。

引き直し計算は、インターネットでダウンロードできる無料計算ソフトを使えば自分でできます。ちなみに、以下のソフトはExcelを利用しているため、パソコンにExcelをインストールしてから使いましょう。

無料でダウンロードできる計算ソフト

・名古屋消費者信用問題研究会
「名古屋式」と呼ばれる引き直し計算ソフトです。1行ごとに取引日と借入額・返済額を入力していけば自動的に利息が計算でき、過払い金がいくら発生しているかわかります。

・アドリテム司法書士法人
「外山式」と呼ばれる引き直し計算ソフトです。入力用のシートと計算書が別々のシートになっていて、入力シートに取引日、借入額・返済額を入力していき転記ボタンを押すと自動的に利息が計算でき、計算書シートに過払い金額が表示されます。

注意点:引き直し計算は間違えやすい

引き直し計算を間違えてしまうと取り戻せる過払い金の額が少なくなってしまう可能性があります。複数の貸金業者からお金を借りていたり、何度も同じ業者から借りていた場合、計算も複雑になります。

特に、一度借金を返し終わった貸金業者に再び借入れをおこなっている場合は注意が必要です。前の取引と後の取引を、ひとつの取引(一連の取引)とするか、それとも別々の取引(取引の分断)とするかで、過払い金請求の時効の日が変わり、過払い金の返還額も変わってくる可能性があるからです。

返済中の借金の場合、払い過ぎの利息で残りの借金を払い終えることができれば、過払い金請求をしてもブラックリストにはのりません。しかし、引き直し計算を間違えてしまうと過払い金で払い終わると思った借金が実際は完済できず、ブラックリストに載ってしまうことも考えられます。

3.貸金業者に過払い金返還請求書を送る

引き直し計算の結果、過払い金が発生している場合には、貸金業者に「過払い金返還請求書」を送って返還を請求します。過払い金返還請求書の書式に特に決まりはありません。

日付と請求先の貸金業者名と代表者名、請求する本人(自分)の名前、住所、連絡先電話番号と「利息の引き直し計算をおこなったところ○○円の過払い金があることが判明したので返還の請求をします」という内容を書き、振込先口座名と口座番号をそえるのが一般的です。

過払い金返還請求書は、確実に送ったことの証拠が残るよう内容証明郵便で、配達証明をつけて送付します。内容証明郵便は文字数あたりで料金がかかり、書留扱いとなるため1通の送料が高くなりますが「いつ、どのような内容の手紙を、誰宛に送ったのか」を証明するものなので、相手方の貸金業者が請求を無視できなくするために重要です。

内容証明郵便は1枚の文字数や行数が決められていて、通常の手紙と違って少し特殊な書き方になります。手書きの場合は文房具店で売られている「内容証明用紙」を利用すると楽ですが、パソコンであればテキストエディターなどを使って行数や文字数を指定して書くこともできます。また、郵便局のウェブサイトを使って送ることができる電子内容証明郵便(e内容証明)というサービスもあります。

内容証明は同じものを3枚作成します。1枚は貸金業者に送付し、もう1枚は郵便局に保管してもらい、残りの1枚は自分で保管します。さらに配達証明をつけて送ると、相手方に書類が到着したあとに「郵便物配達証明書」というはがきが届きますので、これも一緒に保管しておきましょう。のちに貸金業者側が誠実な対応をとってくれないような場合に、重要な証拠となります。

4.貸金業者と交渉する

過払い金返還請求書が貸金業者に届くと、通常は業者側から返信の手紙がくるか、電話連絡が入ります。返還請求した全額を業者側がすんなり払ってくれることはほとんどなく、減額した金額を提示してくるのが普通です。分割での返還や半年以上先の返還期日を提示してくるケースもあります。

貸金業者側から提示された金額や期日に納得し、話し合いによって解決となった場合には、提示された額が入金されます。(→「6.過払い金の入金」)。もし業者側の提示額に納得できず、全額もしくはもっと多く返してもらいたいなら、裁判所に訴えを起こす必要があります。

注意点:交渉がうまくいかず、取り戻せる過払い金の金額が少なくなる

個人で貸金業者と交渉する場合には、法律の知識がないので不利な立場になってしまったり、引き際がわからず交渉が長引いてしまったりします。貸金業者は過払い金請求に慣れたプロですから、個人で交渉しても簡単に言いくるめられてしまいます。

たとえば、借金がまだ残っている場合、「債権・債務はお互いになしということで、ゼロ和解にしませんか?」「現在、残債務が○○円残っていますが、こちらを0円にしますので、このまま和解をしませんか?」などと、業者側から「ゼロ和解」を提案されることもあります。ゼロ和解というのは、お互いに借金がないことを了承しあうこと、つまり、0円で話し合いを終えましょうといったものです。

こうした提案にうっかり応じてしまうと、過払い金が発生していたのに取り戻せなくなったり、本来戻ってくるはずの額より少ない額で説得させられたりして、損をしてしまうことになります。

5.過払い金請求の裁判をおこす

過払い金請求の裁判を起こすときには、訴状に貸金業者の会社登記簿謄本(代表者事項証明書)などの必要書類を添えて、裁判所に申し立てる必要があります。申し立て時には、請求額に応じた収入印紙や指定された郵便切手も提出します。過払い金請求の裁判費用に関して詳しくは「過払い金請求の費用」のページをご覧ください。

訴訟では通常、訴えた側の主張に対して相手方が反論してきますので、請求が妥当かどうかを裁判官が取調べをおこなって、事実関係・法律関係などを明らかにします。和解案が出され、裁判上や裁判外の和解が成立することもあります。

通常は訴えたあとも同時進行で話し合いによる交渉をおこないます。話し合いによる和解が成立しなければ、裁判官によって判決が出されることになります。(和解とは、当事者双方が互いに譲歩し合って、争いをやめることです。)

過払い金請求の裁判をするにあたって必要な書類

・訴状
貸金業者に訴える内容を記述します。正本と副本として同じものが2通必要です。

・証拠説明書
どのような事実を証明する証拠なのかを伝えるために提出します。証拠説明書も同じものが2通必要です。

・取引履歴
貸金業者とどのような取引がおこなわれていたのかを証明するため、取引履歴を証拠として提出する必要があります。取引履歴も同じものが2通必要です。

・引き直し計算書
過払い金がいくら発生しているかを証明する証拠になります。2で引き直し計算したExcelデータをプリントアウトして裁判所に提出します。引き直し計算書も同じものが2通必要です。

・登記簿謄本(資格証明書)
貸金業者の会社の情報が書かれた登記簿謄本が必要です。登記簿謄本は法務局で貸金業者の社名と本店所在地を所定の用紙に記入して申請すれば受け取ることができます。

注意点:裁判になるとさらに時間と労力がかかる

貸金業者との交渉がまとまらず、過払い金返還請求訴訟を起こすとなると、裁判のために必要な訴状や証拠書類などの準備をしたり、裁判所に出廷したりしなければなりませんから、時間と労力がかかってしまいます。仕事を休んで裁判所に行かなければならないですし、裁判所から自宅に書類が届くこともあるので、家族に借金していたことがバレてしまう可能性もあります。

6.過払い金の入金

和解や判決で過払い金の返還額が決まれば、その額を指定した口座に振り込んでもらえます。振込までにかかる時間は貸金業者によって異なりますが、通常は少なくとも2ヶ月以上かかります。

過払い金請求を個人でやる場合のメリット・デメリット

過払い金請求を司法書士や弁護士などの専門家に頼むと手元に戻ってくる額が減るからと、自分で手続きすることを考える方は多いと思います。しかし、自分で過払い金請求をしたほうが多くの額が戻ってくるとは限りません。むしろ、下手に自分で手続きすると損することもあります。実際に過払い金請求を自分でやる前に、リスクもよく知った上で検討することが大切です。過払い金請求を自分でやった場合のメリットとデメリットについて詳しく説明します。

過払い金請求を個人でやる場合のメリット

専門家に払う報酬が不要

過払い金請求の手続きを司法書士や弁護士に依頼すると、その分の報酬を支払わなければなりません。しかし、自分で過払い金請求手続きをおこなえば、司法書士や弁護士にかかる費用が発生しないというメリットがあります。

過払い金請求の司法書士・弁護士報酬はどうやって決められているのか

過払い金請求にかかる司法書士や弁護士の報酬はそれぞれの事務所によって違いますが、日本司法書士連合会や日本弁護士連合会で上限が定められていますので、いたずらに高額な費用を請求されることはありません。取り戻した額に対して一定割合の成功報酬を支払うのが一般的です。過払い金請求の成功報酬は、話し合いによる交渉で解決した場合は戻ってきた過払い金の20%以下、裁判をおこなって解決した場合は25%以下と定められています。

過払い金請求を個人でやる場合のデメリット

手間と時間がかかる

過払い金請求の手続きをすべて自分でやるとなると相当の手間と時間がかかります。個人相手の貸金業者の対応は取引履歴を請求する時点から差をつけられてしまいますので、特に過払い金請求の時効が迫っている方は注意が必要です。過払い金請求は裁判を起こしたほうが取り戻せる金額が増えるケースが多いですが、裁判を起こすには必要書類を揃えるのも手間ですし、平日に裁判所に出廷する必要がありますので仕事を休んで時間を作らなければなりません。

専門家に依頼した場合はすべての手続きを司法書士や弁護士が代行しておこないますので、依頼者は過払い金が戻ってくるのを待つだけです。

取り戻せる過払い金が少ない

時間と労力をかけて過払い金請求を自分でやっても、取り戻せる過払い金の金額が少なくなってしまう可能性が高いこともデメリットとしてあげられます。貸金業者は過払い金請求の対応に慣れていますし、法律や過払い金に対する専門の知識のない素人が交渉しても不利になってしまいます。貸金業者にもよりますが、本来であれば過払い金100%と過払い金にかかる利息(年率5%)まで取り戻せるところを、6~8割で妥協させられてしまうケースも出てきてしまうのです。

返済中の過払い金請求の場合、返済の督促がストップしない

返済中の借金について過払い金請求手続きをする場合、専門家に依頼すれば返済の督促を止められますが、個人で手続きしても督促は止められません。借金を返済中で過払い金請求を個人でやろうとお考えの方は注意してください。

家族に借金があったことがバレてしまう

過払い金請求を自分でやるということは、直接、貸金業者と連絡を取り合わなければならないということです。自宅に電話がかかってきたり、貸金業者や裁判所から郵送で書類が届くといったこともあるので、ご家族と同居している場合、借金があったことを知られてしまう可能性があります。家族に借金があることを内緒にしている方や、過去に借金をしていたことを家族や周囲に内緒で過払い金請求をしたいとお考えの方は専門家に依頼することをおすすめします。

過払い金請求した貸金業者からは新規の借入れがむずかしい

過払い金請求を個人でやった場合に限ったことではありませんが、過払い金請求をした貸金業者からはその後お金を借りることができなくなったり、クレジットカードを作ることもできなくなる可能性が高いです。個人で過払い金請求をする場合には過払い金について詳しい知識を持っていて相談できる人が近くにいないので、こうしたことまで充分考えずに手続きしてしまい、後悔することもありますので注意が必要です。

過払い金請求を自分でやるのが不安な方は杉山事務所にご相談を

過払い金請求は、司法書士や弁護士などの専門家に頼まず、自分で手続きすることも可能です。しかし、個人で貸金業者を相手に過払い金請求しても、本来戻ってくる額よりも大幅に少ない額で承諾を迫られるケースが大半です。過払い金を少しでも多く返してもらいたいと思っても、知識や経験がないと時間や労力ばかりがかかってしまうこともあります。

もし自分で過払い金請求の手続きをするならば、こうしたリスクがあるということをあらかじめ知っておきましょう。よく考えずに手続きを進めてしまうと途中でうまくいかなくなり、後悔することにもなりかねません。

過払い金請求は、実績やノウハウ、交渉力のある専門家に依頼することをおすすめします。杉山事務所では、月3,000件の過払い金請求に関する相談実績があり、さまざまな貸金業者に対応してきた交渉力があります。過払い金請求を検討している方は、ぜひ一度「消費者金融が恐れる司法書士」日本一に選ばれた杉山事務所の無料相談をご利用ください。

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